スプライトシュピーゲル1 冲方丁(10)

 えーとこっちが「月刊ドラゴンマガジン」に連載していたやつね。富士見ファンタジア文庫初めて買ったわ。
 国際都市ミリオポリス(旧ウィーン!)で多発するテロや犯罪と戦う三人のサイボーグ少女の物語。冲方丁は宗教が大好きですね。というよりもその根底にある思想や、人間を突き動かす根源的な衝動のようなものを書き表そうとすることが多い。
 連載ものなので、各話の構成が一定で、妙な様式美を感じるところがありました。まあ言ってみれば30分アニメみたいなものなんですが。
 あと、文法の書き換えが上手。ライトノベル的なお約束(サービスシーンやキャラ立て)をしっかり使っているところが律儀だなあと。まあそうしないと商品的に考えてダメなんだろうけど。
 噂のエルロイ文体は、一瞬敷居が高いように思いますが、読み進めていくと面白いくらい映像が浮かんでくるようになる素敵文体です。ただ、こうなってくると文章を味わうという要素は皆無になるので、別にわざわざ文章媒体で作る必要があるのかという気がしてきますけどw