限りなく透明に近いブルー 村上龍(103)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

限りなく透明に近いブルー (講談社文庫)

 遊び終わって沈んでいく太陽を見ながら、顔をしかめて傷口にフーフー息を吹きかけていると、夕方の灰色の景色と自分が許しあっているような安心感を覚えた。ヘロインと粘液で女と溶け合うのとは反対に、痛みによって周囲から際立ち、痛みによって自分が輝くように感じた。そういう輝く自分は沈んでいく美しいオレンジの光とも仲良くできるのだと思った。

 時代に沿ったというか、内容のレベル云々ではなくて単純に話題づくりに恵まれたという点で石原慎太郎村上龍綿矢りさって似てない? って思ったら、昔、文藝春秋辺りでこの三人が対談してたのを思い出した。何か笑ったw