殺竜事件 上遠野浩平(6)

殺竜事件 (講談社ノベルス)

殺竜事件 (講談社ノベルス)

 ライトノベル出身の作家の人ってどうにも引き出しが少ないという偏見があるのだけれども、この人に関しては間違ってないと思うのよ。余りにも幼稚で子供騙しなファンタジーにびっくりする、と言ってもそもそも子供向けの小説なので本来何ら問題はないのだけれども。一応異世界ものなんだけど、異世界に対する新解釈とか独創的な部分は特になくて、既存のイメージの引用ばかりが羅列される。登場人物その他諸々も以下同上。
 あと表紙にミステリーと銘打ってあったがその要素は皆無に等しい。まあ僅かにある。ただ、看破したところで読者に何ら意味を与えないタイプの謎だったのでもはや辟易ですのよ。