シャドウ 道尾秀介(148)
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/09/30
- メディア: 単行本
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犯人は田地宗平という二人の上司であり、恩師にあたる精神科医。こいつが、我茂の妻と水城の娘に性的な暴行を加えていたのが、悲劇の始まり。
ミスリードの仕方が結構安易。水城が妻に自殺されたショックでノイローゼ・鬱に陥っている
→実は鬱だったのは我茂の方。しかも、こいつは鬱が高じて統合失調症に陥り、単なる病院掃除婦である自分を精神科医だと思い込んでまでいた。
水城亜紀(水城の娘)に性的虐待を加えているやつがいる。それは我茂か、水城じゃないか
→加えていたのは二人の上司である田地。その地位を利用して我茂の妻にも同様のことを行っていた。
みたいな。単純反転する仕掛けが多い。
疑いが根本的な認識の部分から二転三転しまくって結論に至るので、何となく釈然としない思いが残る。
ラストでは、我茂が田地を病院屋上から突き落とす。実は統失は我茂の演技。殺人を行っても、精神鑑定で無罪を取るためにずっと続けていたらしい。もちろん、田地が自分の妻によからぬことをしていることにも気付いていた。