六人の超音波科学者 森博嗣(149)

 

六人の超音波科学者 (講談社文庫)

六人の超音波科学者 (講談社文庫)

 犯人は研究員全員。つまり、全員で申し合わせて行われたもの。
 一流の研究者は金に拘泥することないなどと吹いていながらも、実際には金に困りまくっていたいた研究員達。
 所長である土井と所員のファラディが首切り死体で発見されるが、実は両方ともファラディの死体であり、タイミングによっては土井に見えるように偽装していた。
 土井は既に死んでいたが、それがまるで今死んだかと見せかけるためだ。
 というのは、この超音波研究所はこれまで土井の資産によって研究を続けられていたのだが、財産相続の準備もままならぬままに、土井が急死したことで、土井の親族に財産がいってしまい、今後の研究に支障が出るだろうという事態に陥っていたから。
 そのため、準備が出来るまで土井の死期をずらすのが目的だった。